第6号(2007年3月)
Red Hat Enterprise Linux 5 (Part1:up2dateからyumへ)
up2dateからyumへの変更
Red Hat NetworkからRPMパッケージを取得するためのツールとして、Red Hat Enterprise Linux 4まではup2dateコマンド、及び付随するGUIを用いていましたが、次期バージョンであるRed Hat Enterprise Linux 5(以下、RHEL5)からは、Fedora Core(*)で親しまれてきたyum(Yellow dog Updater, Modified)がup2dateに代わり採用されます。
|
(*)Fedora Coreの次期バージョンであるFedora 7から"Core"という名称は用いられなくなり、CoreレポジトリとExtrasレポジトリが統合されます。
|
今回はup2dateとyumの違いについてご紹介します。
up2dateからyumに変更された理由はいくつかありますが、最も大きなものとしてはyumがコミュニティを中心として開発されているということがあります。Red Hatはオープンソースカンパニーであり、可能な限りコミュニティに近い、あるいはコミュニティそのものでありたいというポリシーに、より合致するソリューションとしてyumを選択しました。
また、yumはプラグインアーキテクチャを採用していることもあり、up2dateよりもスケーラビリティが高いということも理由として挙げられます。 さらに、yumレポジトリモデルに移行したことで、RHEL/Fedora (Core) Linuxに熟達した皆さんであれば、サードパーティ製あるいは自社開発のアプリケーションのRPMパッケージを自社内で管理するレポジトリに統合して利用できるというメリットもあります。
具体的に移行によるどのような変化があるのか、まずは基本的な操作から見てみましょう。
up2dateコマンドで全てのRPMパッケージを更新する際には、'-u'オプションを用いますが、yumでは'update'サブコマンドを用いま す。
もし、RPMパッケージを指定して更新するのであれば、
|
up2date -u pkg_name -> yum update pkg_name
|
となります。
この構文はRPMパッケージのインストール時にも用いられますので、
|
up2date -i pkg_name -> yum install pkg_name
|
となります。
RPMパッケージを管理するためのツールであるrpmコマンドはRHEL5でも引き続きご利用いただけますが、yumでも一部の操作が可能になっています。
一例としてはRPMパッケージのアンインストールが挙げられます。
|
rpm -e pkg_name -> yum remove pkg_name
|
更新可能なRPMパッケージの検索についても、yumはlistサブコマンドによって従来より便利な検索方法が利用可能です。
|
up2date --showall | grep "(search_string)" -> yum list [regexp1] [regexp2] [...]
|
従来は"
|"(パイプ)を用いてgrepコマンドで探すという、ちょっとしたTipsを用いる必要がありましたが、yumではlistサブコマンドの後に正規表現を用いて検索することが可能です。
従来は無かった便利な機能として、パッケージグループの管理があります。パッケージグループを更新、インストール、アンインストールするには、以下のコマンドを用います。
yum groupupdate "(group_name)"
yum groupinstall "(group_name)"
yum groupremove "(group_name)"
|
up2dateコマンドが廃止されたことに伴い、Red Hat Network(以下、RHN)への登録方法がrhn_registerコマンドに統合される点には注意が必要です。
従来、"
up2date --register"あるいは"
rhn_register"のいずれかを用いていましたが、RHEL5ではrhn_registerのみでRHNへの登録が 可能です。もちろん、インストール終了後の初回起動時に実行されるfirstbootサービスによってRHNへの登録は行えますが、もし再登録をする、あるいはランレベル3で起動しているためにfirstbootサービスが起動しないといった場合には、rhn_registerコマンドを用いることになります。
以下では、RPMパッケージの管理に関する話題をいくつかご紹介しておきます。
2001年以降にRed Hatから配布された全てのRPMパッケージはデジタル署名を含みます。この署名はRPMパッケージが第三者の手によって改変されていないことを保証するもので、インストーラ及びインストールが終了したシステムに、デジタル署名を照合するためのキーが含まれています。
RHEL4までは/usr/share/rhn/ディレクトリにキーファイルが配置されましたが、RHEL5では/etc/pki/rpm-gpg/ディレクトリに配置されるようになります。このキーは"
rpm --import"コマンドで組み込むか、あるいはyumや後ほどご紹介するpup(Package Updater)の初回起動時に表示されるダイアログで組み込むことを選択します。
up2dateからyumに移行したことと関連して、パッケージの自動更新の仕組みも変更されました。
従来は、デフォルト設定では240分=4時間に1回、rhnsdサービスがRHNに接続して更新パッケージの有無をチェックしていました。RHEL5で はyum-updatesdサービスがデフォルト設定では3600秒=1時間に1回の頻度で更新パッケージの有無をチェックし、D-BUS/mail/syslogのいずれかの方法で更新パッケージがあることを通知します。アプリケーション間通信の新しい実装であるD-BUSによる通知は、後ほどご紹介するpupletが受け取ることになります。
コマンドラインツールであるyumをバックエンドとして動作するGUIによるパッケージ管理ツールが、pup、pirut、そしてpupletになります。
RHEL5を利用する皆さんが最初に気づくのはpupletによる更新パッケージの通知だと思われますので、まずはこの新しくなったアプレットについてご紹介しましょう。
pupletはD-BUSを利用して実装されたgnomeパネル用のアプレットです。
yum-updatesdサービスから更新パッケージの通知を受け取ると、その重要度に応じて色が変化するポップアップでユーザに注意を促します。また、即時チェックをするにはpupletのメニューから「更新...」をポイントするだけで良いので、yum listコマンドをわざわざターミナルで発行する必要もありません。
pupletのポップアップに気づいたユーザが次にするべきことは、そのポップアップをクリックすることです。するとpupが起動して利用可能な更新パッケージの一覧が表示されます。
リストから更新パッケージを選択して[適用]ボタンをクリックすれば、RPMパッケージの更新が完了します。
最後にご紹介するGUIツールは、pirut、パッケージマネージャになります。
pirutはRHEL5のインストール時に、インストーラであるanacondaから呼び出されているので[Browse]タブパネルについては説明の 必要が無いと思いますが、インストール後には[検索][一覧](日本語訳チェック必要)タブパネルも追加され、インストール済みのものや利用可能なものといった分類での検索・表示が可能です。
RHEL4では約1,500のRPMパッケージで構成されていたEnterprise Linuxですが、RHEL5では約2,100のRPMパッケージで構成されるようになり、ご利用いただける様々な機能が追加されています。この機会に是非、pirutを使いこなして便利なあるいは利用して楽しいパッケージを探してみてはいかがでしょうか。
お問い合わせメールアドレス:
sales-jp@redhat.com
レッドハット株式会社/ニュースレター編集部